カテゴリー別アーカイブ: オステオパシーについて

2017年11月 国際セミナー報告

こんにちは。大野です。

先日開催、参加させていただいたF.O.S.G(Fulcrum Osteopathy Study Group)主催セミナーについて書きたいと思います。

今回の講師もカナダからお越しいただいたPhilippe Druelle DO, DscOです。

 

Philippe Druelle DO, DscO
Philippe Druelle DO, DscO

 

今年の国内開催は2度目でした。前回は5月に受講し、これまでにPhilippe Druelle DO, DscOには国内では5回、海外も合わせるとこれまでに7回受講させていただく機会を頂いています。

このような機会を頂けるという事にまずは感謝、感謝です。主催していただいているF.O.S.G代表西山正洋先生ならびに事務局の方本当にいつもありがとうございます。

 

F.O.S.G西山正洋代表

 

というのも、今回のセミナーだけに限りませんが、国際セミナーや海外のセミナーに参加できるのは誰にでも許されることではありません。ましてや決して一人では無理です。そして開催するにあたって多大な苦労があるのを近くで見てきましたし、講師とのこれまでの長期間の中で築かれた強い信頼関係があってこそ開催が許されているのです。

そして限られた中で我々ができる事は伝統的なオステオパシーを学ぶという事、そしてそれを残し、後世に伝えていくという事。

そして何より、学んだ知識・技術を来院して下さる皆さまに実践してより良い施術を提供し続けるという事です。今回の講義の中でもそのことをしきりにおっしゃっていたのが印象に残っています。

 

セミナーテーマ

~エナジェティック・インパルスによる伝統的な骨・関節のアジャストメント~

率直に今回も非常に素晴らしいセミナーでした。伝統的な知識・技術に加えPhilippe Druelle DO, DscOの35年間の経験に基づく知識やテクニックのコツ(シークレット)を惜しみなく伝授していただきました。

セミナー中は講師の伝えようという姿勢、こちらの受け取りたいという姿勢がまるでシンクロしたかのような非常に心地の良い雰囲気でした。デモ中には先生の手の細部まで観察したいと必死でしたが☆

 

「まだまだたくさん受け取りたい!!」

 

そう思いながらまたPhilippe Druelle DO, DscOとお会いできる日を想うと今から胸が躍ります。

そして皆さまにより良いモノを提供し続けます。

 

あとこれは個人的な備忘録ですが、本セミナーで初めて講師の先生に治療をさせていただいたこと、初めてセミナー前後で講師送迎役として運転手をさせていただいたこと。どれもとても良い経験をさせていただきました。

 

余談ですが、

実はわが娘の名前の名付け親がPhilippe Druelle DO, DscOなのです。

前回来日された時のタイミングで生まれ、厚かましくお願いをしてみると快く引き受けてくださいました。我が子ながらなんとも運のいい子です。

 

命名いただいた時の写真

 

今回は家族皆でそのお礼と、子どもの顔を見せに行くことができて嬉しかったです。

長女:大野ひかり

光=lumière (ルミエール)←フランス語ではこう呼ぶそうです。

 

お陰様で子どもたちは元気にスクスク育っています。

そんな大野家共々今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

最後に、ドゥリュエル先生初め、主催してくださった西山代表、事務局の尚子さん、グループのメンバー、地方創生メンバー、通訳弦巻さん、家族、いつも長い休診を許して下さる皆さま。関わってくださる全ての方に感謝します。いつもありがとうございます。

 

講師とF.O.S.Gメンバー

国際シンポジウムに参加してきました。Part.2

オステオパシー治療院TIDEの大野です。

前回の続きです。

 

オステオパシーは個人の手技の選択や意識、思考によって結果(患者さんに与える影響)に違いがでることがあります。つまり施術者の意図が反映され、施術者の個性が生きる療法だと言えると思います。   言い伝えによると創始者のスティル博士は弟子達にテクニックは教えなかったといいます。

  これが意味するのは体の症状などを改善していくにあたって理論、哲学、基礎医学の知識、確実な触診能力を基とし考察していければ、ゴールまでの方法(テクニック)はこだわらないということです。    

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Star Night風景

 

前置きが長くなりましたが、シンポジウムの3日目の夜に「Star Night」という催しが行われました。これは世界中のオステオパスが実際に患者さんを治療しそれを間近に見ることができるというものです。 個人的にも実際に同じ空間で治療を見て感じれるということに関心を寄せていたイベントです。  

 

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一つの部屋に約8台のベットが並び、それぞれの先生が治療を繰り広げる。

 

一人一人オステオパスによっても各感性の中でそれぞれの治療を行っている様子が見てとれました。そんな光景を見ることができてすごく刺激的でした。

 

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Denise LABERGE,D.O

 

彼女は我々グループのメンバーを治療してくれました。 彼女のおおらかさや優しさ、治療の素晴らしさには感動した。    

 

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皆治療に参加させてもらいました。

 

これを見て感じたことは、治療の際、千数百個のテクニックの中からその人に合うテクニックを選択する事が重要なのではなく、テクニックが何であれその人がより活きる(機能する)領域まで施す事が大事だということ。

そしてそれには少なからず施術者自身の感性が活かされているということ。     これは我々グループの代表が発足当初から伝えてくれている事でもあり、改めてそれを感じたことと、世界のオステオパスと感覚を共有できたことも我々としては非常に有意義な時間でした。    

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そして5日間のセミナーは  

 

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セミナー風景

 

【内容】

●脳震盪の治療 ー頭蓋内スパズムと神経可塑性、脳のダイナミクス

●小児科学・新生児科学・オステオパシーの上級コース  

 

いずれも最新の理論やテクニック、また伝統的に受け継がれたテクニックなど歴史や様々な可能性を感じたセミナーの内容でした。   セミナー中は普段接する機会のない海外の先生方と手合わせする事もでき、感覚の共有をすると共に、物事の捉え方のギャップに新鮮さを感じました。 言葉は違えどオステオパシーを通して価値観を共有できたことも非常に勉強になりました。  

 

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F.O.S.G(フルクラム オステオパシー スタディ グループ)

 

今回このように大勢のメンバーと共にカナダへ渡航してオステオパシーを勉強できたことに本当に感謝いたします。 発案、牽引していただいたグループ代表はじめメンバー全員に感謝すると共に、いつも背中を押してくれる家族、長期の休診に迷惑をかけているにも関わらず見守ってくださる患者さん方、これを見てくださっている方々に感謝いたします。   また行きたいと思います。  

 

これからもどうぞよろしくお願いいたします。   以上、国際シンポジウム参加報告でした。  

 

 

国際シンポジウムに参加してきました。Part.1

オステオパシー治療院TIDEの大野です。

 

先日カナダのモントリオールで開催された第33回オステオパシー国際シンポジウムに参加してきました。ここでその報告を書きたいと思います。  

 

このシンポジウムはCollège d’Études Ostéopathiques(CEO)主催によるもので、モントリオール校の創設35周年を祝す記念すべき回でもありました。    

なお当シンポジウムは今年の1月に亡くなられた偉大なオステオパスViola M. Frymann D.O., FAAO に賛辞を呈する会でもあり、冒頭ではフライマン博士の動画が披露されました。当期間内で度々名前が挙がった彼女はこれまでのオステオパシー業界に(特に小児の分野)多大な功績を残された人物の一人と言えます。  

 

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(Dr. Viola M. Frymann D.O., FAAO に関するページは画像をクリック!)

 

 

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カンファレンス風景。

 

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Philippe Druelle, D.O.(Collège d’Études Ostéopathiques創始者であり世界に複数の大学を設立されている。オステオパシーの臨床、研究、国際的な教育者としても名高い。写真は以前国内で開催されたセミナーでの1ショット)

 

シンポジウムの日程はこちら

Conference day: June 3rd 2016 (2016.6.3 カンファレンス) Workshops: June 4th, 5th, 6th and 7th 2016 (2016.6.4~7 研修) Post-symposium day: June 8th 2016(2016.6.8 特別研修)

 

    まずはPhilippe Druelle,D.O.のオープニングスピーチから始まったカンファレンスは世界の名立たるオステオパスや科学研究者による臨床発表でした。

 

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オステオパシーの創始者  Andrew Taylor Still, M.D.D.O (1828-1917)

 

 

内容はカナダをはじめ、アメリカ、ロシア、イギリス、フランスのオステオパシー医師による臨床、研究発表や科学者による最新の科学的分析によるオステオパシーの有効性を示す多くの研究発表でした。オステオパシーの創始者Still博士やその弟子Sutherland博士の研究・考察が現在の科学により再立証され、更にその意志を受け継ぐ現代のオステオパシー医師により身体の研究が進みオステオパシーがもたらす体への良影響がどのようなものか実際にその研究者から聞く事が出来ました。     我々日本国内ではこのようなオステオパシーの科学的研究はされておらず、私の知る限り翻訳されている専門書でも記述がないような内容ばかりで関心が湧く内容の数々でした。  

 

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W.G.Sutherland,DO(頭蓋領域研究の第一人者)

 

その中でトリを飾った演説者がBernard Darraillans,D.Oです。盲目のオステオパスとして業界では超有名人です。

 

Bernard Darraillans,D.O
Bernard Darraillans,D.O

 

発表テーマ「医学分野に於ける感情の影響」 今日の医学を科学的、物理学的、遺伝的側面から振り返り、人体生命システムの中における心理・精神・思考・感情・魂など経験の主観的観点の重要性を具体化。

またオステオパシーの創始者または伝統的なオステオパスはその領域に対するアプローチを先駆的に行っていたという。    

Darraillans,D.Oの発表は人を引き込むような雰囲気があり会場全体が一体感を持つような不思議な感覚とスピーチもオステオパシーの本質的な内容で私の中では非常に印象に残っています。  

 

 

このような濃いカンファレンスでシンポジウム一日目が終了。翌日からは研修に入っていきます。この時点で我々はカナダ生活二日目です。時差ぼけと戦いながら、モントリオールの夜の街でジャンキーな料理を頂きます。  

Part.2へ続く・・・

                      国際シンポジウムに参加してきました。Part.2

オステオパシーの適応症

当院にお越しくださる方、または相談にお越しくださる方の中には 「オステオパシーとい言葉を初めて聞きました」 という方も少なくありません。

そこで、ここではオステオパシーの適応症について書いていきたいと思います。

■当院の考え方

オステオパシーの創始者スティル博士は「オステオパスは症状を扱うのではなく、原因を扱わなければならない。症状は、原因が矯正されれば消失する。」という言葉を残しています。これから推察されることは原因を突き止め、それを治療することができれば症状は自然と消失するということです。

これがオステオパシーの目的です。すなわち全身から骨の変位や神経、血管の圧迫などの原因を取り除き、その結果、人体のシステム全体に調和がもたらされることが症状の改善に繋がるという事になります。

オステオパシーのコンセプトを簡単にご紹介したいと思います。

➀身体は一つのユニットである。

・・・身体は各部位が繋がりを持ち、全体が調和して働いている。すなわち全身を一単位として捉えるべきであるという事です。

➁身体は自己調整、自己治癒、健康維持能力を持っている。

・・・いわゆる我々には自然治癒力と言われる「治る」力が備わっていることを意味します。

③身体の構造と機能は相互関係にある。

・・・構造と機能は作用しあっている存在であり、まずは構造が正しくあることが重要であるという事です。

④オステオパシーは上記の基本的原理に基づいて行うべきである。

■適応症一覧

●筋骨格・運動器系

(腰痛、肩こり、ムチウチ、頭痛、寝違え、膝の痛み、股関節の痛み、首、背中の痛み、四十肩・五十肩、手・肘の痛み、骨盤の歪み、顎関節症、手術・骨折の後遺症、交通事故の後遺症、スポーツ外傷、先天性股関節脱臼、側弯症など)

●神経系

(手足のしびれ、坐骨神経痛、肋間神経痛、偏頭痛、自律神経失調症、不眠、めまい、耳鳴り、難聴、メニエールなど)

●消化器系

(便秘、下痢、逆流性食道炎など)

●呼吸器疾患

(喘息、気管支炎、肺炎後の障害など)

●循環器・血管系

(不整脈、頻脈、脳血管障害の後遺症ケアなど)

●代謝性疾患

(高血圧、肝機能障害、糖尿病のケアなど)

●アレルギー・自己免疫疾患系

(関節リウマチ、花粉症・アトピーなど)

●婦人科系

(貧血、生理痛、月経前症候群(PMS)、生理不順、妊娠中の腰痛・背部痛、出産準備ケア、不妊、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など)

●小児(乳児から受けることができます)

(繰り返す中耳炎、発達障害(言語、学習等)、コミュニケーション能力に対する不安、授乳障害、体が硬いなど)

※特に遅産、早産、帝王切開、吸引分娩、鉗子分娩、促進剤などお産時に何か人工的な介入があったお子さんは施術の必要性がある場合があります。

●慢性的なお悩み (運動に関する悩み、冷え、睡眠の質向上、疲労感の緩和、うつ、不定愁訴など)

上記の症状はオステオパシーの効果が期待できます。

■オステオパシーの適応は多岐に渡ります。

オステオパシーはこのような身体の構造・機能異常に対する症状の方に効果的であるといえます。 その他にも、上述しました内科的・婦人科系・不定愁訴等の症状に対しても効果が期待できることもあります。

オステオパシーの適応は多岐に渡ります。あくまでも適応症は一部ですので、 「この症状にはどうだろうか」「どこいっても治らない」という方は 一度お問い合わせください。

小児のオステオパシーについて

オステオパシー治療院TIDEの大野正晶です。

 

最近当院では子供さんを診させて頂く機会が多いのでこの記事を書くことにしました。

まず、どのような子供さんを診させていただくかというと

 

●怪我(外傷)の治りが悪い。

・・・例えば足・膝等の捻挫や野球肩など、スポーツをしている小中高生に多い症状です。

●親御さんから見て普段の生活で気になる症状がある。

・・・例えば関節がポキポキ鳴る、抱っこしていて体の硬さが気になる、吐き戻しが多い等です。比較的幼児期に親御さんが気になる事が多い。

●発達障害、学習障害等の診断を受けた子供、又はその疑い。

・・・コミュニケーション能力に欠ける、集中力が低い、学習能力の偏り、身体のバランス能力、協調運動の困難等です。当院では幼児期から小学生位の子供さんが来院されています。

※この分野においては様々な定義や概念があるため一概に一括りにするのは筋違いであるかもしれませんが、こちらでは便宜上このような記載を致します。

 

 

人にはそれぞれ違う症状があり、それぞれの性格などの特性もありますが、オステオパシーでは「全身を診る」という理念がありますから、症状に捉われることなくまずは全身的に状態を診ていきます。

そこで構造や機能の滞りや不活発な部位に施術し、全身の協調性の向上、調和を目標に進めていきます。特別な状況以外にはほとんどの症状に対応でき、ソフトな施術ですので安心かつ有効です。

参考までに、怪我や外傷の子供さんは2~3回の施術で終了することが多いのも特徴です。子供の治癒力や施術に対する適応能力は大人とは比べ物にならない程の早さだといつも驚かされます。その後スポーツをしている子供さんはケアの為に定期的な受診もお勧めいたします。

私がオステオパシーを志すきっかけ

オステオパシー治療院TIDEの大野正晶です。

この記事では私の紹介も兼ねて、この業界を志したきっかけをお話させていただきます。

■自己紹介

九州の佐賀県出身である私には3歳年上の兄がいます。

兄が大好きでいつも兄の後ろをついてまわる子供でした。幼いころから好奇心旺盛で兄のすることはなんでもマネをしていたように思います。

小学生の頃当時兄が所属していたバスケットボールチームに親と応援に行ったり、遊びでバスケットボールに触れることで、自然と自分もバスケットボールをしたいと思い、兄と同じ小学校のクラブに所属しました。入部には年齢制限があったので正式には小学4年から活動しました。そこから高校を卒業するまでの間約9年間はバスケットボール漬けの日々を送り、多くの全国大会や選抜大会にも抜擢され多くの舞台を経験することができました。

■この道を志すきっかけ

しかしその中でバスケットボールが出来ない時期がありました。それは怪我による強制的な休養を余儀なくされた時期です。足関節の捻挫に関しては幾度となく繰り返し、膝の故障、腰椎分離症による長期的なドクターストップなど、常に全身的になにかと問題があり、日々身体と向き合いながらプレーをしていました。

そんな中、運よくチーム専属のトレーナー(坂本氏)や体育教師の指導の元、医師の宣告よりも早期に回復することができ、継続的にトレーニングとマネージャーのケアのお陰で活動を続けることができたのです。その頃の感謝の気持ちは今でも忘れません。その反面怪我で活動ができない辛さを身に染みて感じることができたのもこの時期だと言えます。

私はこの頃から多くの人にお世話になり、自分の活動を支えてもらったという感謝の気持ちが、「自分も人の為に役に立つ仕事がしたい」という想いになり、お世話になっていた整骨院の先生の紹介で行岡整復専門学校に入学することになります。

■専門学校へ進学

入学当時は目標は漠然としていて、将来は整骨院を開業するという目標があるだけでした。

その頃は整形外科や整骨院でアルバイトと学業の両立をして生活する日々でした。専門学校では人体の基礎的な学問をはじめ整復学など専門的なことを学びます。アルバイトでは実際に患者さんの声や先生方の施術を見て学ぶという臨床経験を積ませていただきした。

当時勤めていた先生の影響もあり、次第に「もっと患者さんに良くなってもらうには・・・」ということばかり考えるようになり、参考書を探し回ったり、様々な治療院に施術を受けに行く事で自分なりの治療方法を模索していました。

■オステオパシーとの出会い

そして当時、知人からオステオパシーの事を聞きすぐにセミナーを受講しこの本と出合いました。


のちに私のバイブルとなる本です。

当時色々な治療法を体験したりという中で、オステオパシーの治療を目の当たりにした時は他の治療法とは違う素晴らしさを感じました。それは直感的なものでしたが「自分がしたい事はこれだ」という確信に至ったわけです。

当時オステオパシーは学校に通学して学ぶという体制がない時代でした。ですので受講生は遠い場所であろうと多くのセミナーに通い学ぶという事を繰り返しており、私もセミナーに参加しては練習を繰り返していました。

そんなセミナーに通いだした時期に不運な事に交通事故に遭い(後部からの追突事故)ムチウチにより一時は仕事にも出勤できない時期があり頭・首・背部・下肢の痛みやしびれ、全身倦怠感、吐き気等、数か月の間辛い症状に悩まされていた時でもありました。

そして当時勤めていた整骨院の先生方の治療のお陰でようやくセミナーにも参加できるように回復した頃、セミナー中にも関わらず、テーブルトレーナーの先生が治療をしてくださいました。特別にこちらが症状を訴えていなかったのですが、自然と治療が始まり先生の手が離れるまでの一連の見事な操作や、そしてその直後に感じたの爽快感といったら、、、言葉では表現できない気持ちよさでした。この感覚は今でも鮮明に覚えています。事故を受けてからずっと呼吸が浅くなっていた身体に、一気に大量の空気が入ってきて大きく呼吸ができました。肺ばかりではなく全身で呼吸をするような感覚を感じました。目の前の霧が一瞬で晴れオステオパシーを学ぶ意欲となり現在に至ります。

こういった実体験と通じてオステオパシーの魅力を感じる事ができたことは治療家としても大きな財産となりました。オステオパシーの有効性を体感したことで患者さんにもオステオパシーを受けていただきたいと強く思うようになりましたし、自信を持って提供することができるきっかけとなったと思います。

■開業に至るまで

その後勤務先を整骨院から整形外科に変わり、その間もセミナーを受講したり、同じ志を持った仲間と勉強を続けていくうちに少しづつオステオパシーを実践する機会を増やしていきました。間借りの小さいベッド一台だけ置けるスペースで仕事以外の時間を利用して患者さんを診させてもらったり、家族や友人の身体を治療させてもらったりしていました。生活の多くの時間をオステオパシーに費やし、多くの方の助言や家族の支えもありこの福島にて開業することができました。

この福島は大阪駅から一駅の好アクセスな立地故、飲食店がひしめく大阪でも有数の活気のある街です。幸運な事にご縁をいただいた店舗オーナー様のお陰で繁華街から少し外れた静かな環境を提供いただいております。個人的にお酒の場は好きな方なので近くにたくさんの飲食店があることは密かな楽しみの一つです。お店が多すぎてまだ多くの所は訪問しきれていないですが興味がある方はおすすめのお店の情報交換など是非お願いします☆

■これからのこと

話が脱線しましたが、開業して多くの方を診させていただきオステオパシーの効果を実感していただき、共感してくださる方が増えていることにまずは感謝を申し上げたいと思います。当院のほとんどの方はご紹介の方ばかりですのでこのように更にオステオパシーが普及していくことを願っています。多くの方にオステオパシーの素晴らしさ、そして各人が自立して健康な生活が送れるようにこれからも尽力していきますのでよろしくお願いします。

そして今後オステオパシーの普及の為に技術者の育成にも関わっていきたいと思っております。私自身まだまだ未熟者ですがこれまで学んできた理論や技術を少しでも伝えていけるように、これからも私自身より一層精進して参ります。

これからもよろしくお願いいたします。

「ここ何年か味わったことがなかった」

こんにちは。
オステオパシー治療院TIDEの大野です。

 

今日は「患者さんから頂いた声」からオステオパシーによる身体の変化がどのような経過を辿るかについて書きます。

■30代女性

症状:長年の頭痛、生理時の不調(生理痛、腰、腹部痛、周期不順)

 

ご感想本文:今日は自分の体の変化に気付けたのでお伝えさせていただきます。

一つは頭痛です。今月に入ってから少しマシになってきています。痛くて我慢できないという痛みはないのでお薬も飲まずに過ごせています。大体いつも目が覚めた瞬間が一番痛くて後はだらだら痛みが続いている感じなんです。

それが今朝は目が覚めたとき痛くなかったのでびっくりしました。5分後からはいつもの痛みになってしまいましたが数か月ぶりだったのでベッドの中で驚いていました。

もう一つは生理痛です。いつも腰がだるくてお腹が痛いので痛み止めを飲んでいます。お薬を飲まなかったら、サーっと血の気が引くような痛みがあります。その痛みと戦うかお薬を飲むか、毎月そんな選択でした。先月もそんな感じだったのですが、今日お薬を飲まなくても大丈夫でした。だるくないし、痛くないです。こんな事ここ何年か味わったことなかったので驚いています。

周期も先月から28日周期できています。先月はたまたまかと思っていましたが今月もきっちり28日周期できたので驚きです。

いつも3~10日前後するのが当たり前だったのでそれが普通だと思っていたのでこの2か月はきちんときて嬉しいです。

これからもよろしくお願いします。

 

■施術者コメント

まずは貴重なご意見をいただきありがとうございます。

この方は初診から約二か月の間、約2週間に一度のペースで来院されています。

初診当初、第一呼吸システムの制限が強く身体の変化が小さい状況でした。

このような場合でも、症状の部位に捉われることなく機能の低下が起こっている部位にしっかり働きかけ、確実に一つ一つ問題を解決していく事が重要になってきます。

 

まず注目した一つ目は左半身の垂直ストレインでした。

この方の場合、何かの外力による左半身の強力な垂直方向にかかる圧により第一次呼吸システムに強い影響を与えていたことが分かりました。

 

そして二つ目は世代間の問題

特に臓器に対して強力な制限があり複数回の施術でようやく機能の改善がみられました。

 

このような点に留意しながら施術を進めていき、身体の変化を随時観察していきます。

 

そしてこのような事を続けること数回、施術終了時、確実に身体の中でエネルギーが循環し始めたたことを確認しました。私はこの時「もう大丈夫」という感覚を得ました。

この時は患者さん自身の感覚としては「良くなった」という感じは得られていなかった様子でしたが、それから後にこのような感想をいただきました。

 

このような実感というのは身体のサインであり変化の証です。よい実感を得るということは心理的にもいい影響を与えるので非常に貴重な経験になられたと思います。施術者としてこのようなお声をいただくのは非常に嬉しい事です。これからも更にいい実感を得ていただく為に見守っていきたいと思います。

 

日本でのオステオパシーはまだまだ認知度が低く、多くの方にこのような体験をされている方がいるということを知っていただきたいと思っています。特に今回の方のようなお薬を手放せない方も、諦めずに希望を持って頂きたいと思っています。

 

一人でも多くに方のお手伝いが出来ることを願っています。

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オステオパシー概要(歴史、語源、定義)

こちらではオステオパシーの歴史等をお話します。

オステオパシーの語源なども踏まえ、どういった成り立ちで今日まで受け継がれてきたか、そういったことを知っていただくことでオステオパシーの魅力を知っていただければ幸いです。

■歴史

オステオパシー最初の大学

オステオパシー(osteopathy)とは、1874年にA.T.スティルというアメリカ人医師によって創始された自然医学です。

スティル博士は評判の良い田舎のお医者さんでした。産婦人科氏であり外科医でもありました。1864年、当時アメリカの南部で流行していた髄膜炎によりたくさんの方が亡くなり、自身も3人の子供を亡くすという悲劇を経験しました。どうしてこんなことが自分の身に起こったのだろうと思い、また当時の手厚い看護と医療を受けたにも関わらず助からない人々がいる一方で、医療や看護を受けることもままならない人々が回復していく事実に疑問を抱き、人体に対する独自の研究を始めていきます。自然科学をはじめ解剖学、生理学、病理学、そして伝統的なインディアンの医学など広範囲の科学を徹底的に学び直し、人体を人間をあらゆる角度から研究しました。

そこでスティル博士が少しずつ分かってきたことは、今までの医学とは違う考え方でした。つまり対処療法が現代の医学だとしたら、博士が着目したのは「なぜその症状が現れたのか」という点でした。

そして約10年後の1874年6月22日にスティル博士は世にオステオパシーを発表しました。

その時以下の4つの考え方を提唱しました。

①身体全体を診る必要がある。(つまり何が原因で病が起こるのか、そして何が原因で全体性が治るのか。相互関係の重要性)

②身体は一つのユニットである。(身体の中の全てのものは繋がっている)

③血管、リンパ系の重要性。(全ての血液はいかなる時も、全ての部分から部分、全ての器官から器官へと流れていなければならない)

④身体は自動調整システムを有している。(すなわち身体は自然と戻ろうとしている、バランスをとろうとしているということ)

スティル博士の言葉

オステオパスは症状を扱うのではなく、原因を扱わなければならない。症状は原因が調整されれば消失する

問題を探して治療しなさい。そうすればあとは身体がやってくれる

しかし、この考え方は当時の医学界からは強い抵抗に合い、受け入れられる事はありませんでした。それでもスティル博士は自分の信念を貫き通し、全米をこのオステオパシーにより治療して周りました。当時の記録には、筋骨格系の症状のみならず伝染病や内臓疾患にも驚くほどの効果があったと記されています。

1892年にはカークスビルに最初のオステオパシーの学校(American School of Osteopathy)が設立され、現在も“A.T.STILL UNIVERSITY”として存在しています。また現在オステオパシーはアメリカでは医学として公認されており医師として手術や投薬など全ての医療行為が許されています。

今ではアメリカに29校のオステオパシー医科大学が設立され、ヨーロッパ諸国やロシアやカナダ、オーストラリア等多くの国々においても、オステオパシーの教育や研究が盛んに行われ現在も発展し続けています。国家医療資格として認められている国も数多く存在し、多くの国々で普及され広まりを見せています。

■オステオパシーの語源

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その語源はギリシャ語の「骨」を意味するosteon(オステオン)と「病」を意味するpathos(パソス)からなる造語です。

このosteonとは、単に「骨」という意味だけではなく「生命体の構造」という意味を持っており、生きているものでなければosteonとは言いません。

つまりオステオパシーとはpathosの「病気、療法」という言葉を合わせ、「生命体の構造に対する療法」ということを意味しています。

「生命体の構造」というのは「骨」「筋肉」「内臓」「神経」「血管」など治療に関する全身の対象器官を指していますが、その中でも「骨の特性」を生かした治療法が多いことから「骨の性質を利用した療法」とも捉えることができます。これも単に骨に対する療法だけに留まらず、骨の性質を生かし、全身的に影響を波及しながら施術を行っています。

■オステオパシーの定義

「オステオパシーは人体の各部位の構造、機能及び人体を構成する部品同士の関係に関する知識であり、人体が調和して働くことを妨げる全てのものに対し、調整及び矯正を行うために用いられる。」

 

推薦図書 「いのちの輝き」

こんにちは。

大阪市福島のオステオパシー治療院TIDEです。

さて今回は当院の推薦本をご紹介いたします。

さっそくですがこちらがその本です。

いのちの輝き~フルフォード博士が語る自然治癒力~

私のバイブルです。

この本はオステオパシーを知る人なら一度は目を通したことがあるだろうというほど有名な書物です。

オステオパシー界では知らない人はいない伝説的なオステオパス(オステオパシーを施す者)であるロバート・C・フルフォード氏が著したものであり、彼の自伝的な本でもあります。

フルフォード氏が綴ったこの本の内容は非常に分かりやすく、彼の思考が読む側に伝わりやすく書かれていて、私自身もオステオパシーに出会った頃何度も読み返し、肌身離さずこの本に触れ、オステオパシーの素晴らしさに感銘を受けました。フルフォード博士の提唱する代替医療はオステオパスだけではなく医師、または徒手療法に携わる多くの方に一度は読んでいただきたい本です。

私がこの本を患者さんにもお勧めし貸出しする理由は、その読みやすさにあります。

オステオパシーに限らず専門的な本は一般の方には難しい専門用語も含まれており、読むにつれて読書意欲がなくなってしまうこともあると思います。

そもそもフルフォード博士は臨床においても患者さんに分かるよう専門用語を用いずに説明するという方法をとっていたといいます。それがこの本にも表れていて、実に読みやすく読み進めるにつれて彼の考え方に興味を持ち、どんどん読んでしまいます。

内容はオステオパシーの技術的なことではなく、フルフォード博士の施術経験の中での患者さんの変化やオステオパシーについて、自然医学に対する考え方、西洋医学に対する考え方、独自のエクササイズ法など、フルフォード博士の臨床経験での考察をもとに書かれています。

オステオパシーの世界、フルフォード博士の人間性に触れることのできる一冊です。

ここでは目次を紹介します。

目次

1章 オステオパシーとはなにか。

2章 宇宙のしくみと人体

3章 健康が問い直される時代

4章 オステオパシーにより健康

5章 自己管理の秘訣

6章 健やかな生、穏やかな死

7章 霊性を高める

8章 エクササイズ

9章 もっと知りたい人のために

~訳者あとがきの一節~

ロバート・フルフォードは、アメリカでは「異端の医師」と呼ばれて久しかった。二〇世紀という時代を考えれば、現代医学がとっくに捨て去った不可視の「生命力」を唯一の頼りに半世紀以上にもわたって数十万人の患者の治療に成功してきた医師が「異端」に見えたとしても、それは無理からぬことではあった。

だが、いつのまにか時代は変わっていた。異端の医師の見解こそが「医学思想の本流」であるとする立場(本書に序文を寄せているアンドルー・ワイル博士など)が脚光を浴び、国民の大多数が、かつては白眼視していたオステオパシーをはじめとする代替医療に熱い期待をいだくようになっていた。ヒーラーとして生きることに専念し、著述などに興味がなかったフルフォードに本書を書かせたもの、それは時代の要請以外なにものでもなかったといってもいいだろう。(p227~228参照)

当院ではこちらの本をはじめオステオパシー関連の本など、貸出し可能です。

ぜひ興味のある方は一声かけてくださいね。

※貸出カード等、記録など、返却期間もなく任意での貸し出しですので必ず返却お願いします。

当院にお越しの患者さんの多くは初めはオステオパシーを知らない方ばかりです。受けるだけでなくオステオパシーを知りたいと思う患者さんの声にお応えして今回この記事を書きました。「知る」ということは前向きな一歩と考えています。

では今日はこの辺で。

交通事故の症状、治療について

こんにちは。

大阪市福島にありますオステオパシー治療院TIDEです。

今回は交通事故の症状に対するオステオパシーの有効性について書きます。

 

これは私の体験・経験からも言いますと、 交通事故による症状には事故により身体に加わった衝撃がなにかしらの 構造的な変化をもたらした結果だと考えられます。

 

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