婦人科系疾患のお話(子宮内膜症)

こんにちは。

大阪福島のオステオパシー治療院TIDEの大野です。

以前にも婦人科系疾患に関する事を書きましたが、今回は子宮内膜症に関する事をお話ししたいと思います。

当院の患者さんでも子宮内膜症と診断された方は非常に多く、それぞれ様々な症状を訴えておられます。

医療機関で診断され不正出血や月経痛などの症状にお悩みの方や、婦人科系の症状はないがひどい頭痛、肩こり、腰痛など、多くの症状にも関連する可能性があります。

■当院の考え方

オステオパシーの創始者スティル博士は「オステオパスは症状を扱うのではなく、原因を扱わなければならない。症状は、原因が矯正されれば消失する。」という言葉を残しています。これから推察されることは原因を突き止め、それを治療することができれば症状は自然と消失するということです。

これがオステオパシーの目的です。すなわち全身から骨の変位や神経、血管の圧迫などの原因を取り除き、その結果、人体のシステム全体に調和がもたらされることが症状の改善に繋がるという事になります。

オステオパシーのコンセプトを簡単にご紹介したいと思います。

➀身体は一つのユニットである。

・・・身体は各部位が繋がりを持ち、全体が調和して働いている。すなわち全身を一単位として捉えるべきであるという事です。

➁身体は自己調整、自己治癒、健康維持能力を持っている。

・・・いわゆる我々には自然治癒力と言われる「治る」力が備わっていることを意味します。

③身体の構造と機能は相互関係にある。

・・・構造と機能は作用しあっている存在であり、まずは構造が正しくあることが重要であるという事です。

④オステオパシーは上記の基本的原理に基づいて行うべきである。

下記ではあくまでも読んで下さる方にできるだけ分かりやすい様に病名(症状名)で取り上げ、それについての基礎的な知識を交えてお話させていただきます。

■子宮内膜症とは

子宮内膜症とは、本来、子宮内膜にしか存在しないはずの子宮内膜や子宮の組織が子宮以外の場所にできる事を言います。通常月経時に子宮内膜は剥がれ体外に排出されるのですが、子宮以外の場所にある場合、体外に排出されることができず体内に留まることになり、その結果、増殖し溜まった組織が周囲の器官に悪影響を及ぼし卵巣嚢腫や臓器同士の癒着などの問題が起こると言われています。

子宮内膜症は現代の女性の10人に1人がかかるとされています。発症原因は不明で、医師の中にはライフスタイルの変化により現代の女性は以前に比べ妊娠・出産の回数が減り、月経の回数が増えたことが原因の一つではないかと考える方もおられます。

■医療機関における治療

基本的には薬物療法になります。症状の重症度によってピルやホルモン製剤の投与により排卵・細胞の増殖の抑制、鎮痛効果を期待して行われます。重症の場合手術が適応となる場合もあるとのことです。

■来院患者さんの経過をご紹介

基本的に当病名にて当院に来院される方の約半数の方は手術を受けた方で、そうでない方は投薬を続けながら行っていきます。

ここでは実際に当院の治療事例をご紹介していきます。

治療事例➀

40代女性:子宮内膜症と診断、両チョコレート膿腫

初診時の症状:首の凝り、肩痛、腰痛、以前から生理痛がひどく生活に支障をきたす。不正出血あり。

状態:手術歴なし。薬物療法の副作用あり。外傷歴あり。運動したいが常に痛みやだるさでできない。

経過:2週に一度の来院を継続的に行い、8回受診時には初診時の症状はほぼ改善。お薬の副作用と思われる症状も軽減。経過観察のため月に一度来院中。

治療事例②

30代女性:子宮内膜症と診断、卵巣の手術歴あり

初診時の症状:首・腹部のだるさ、特に月経時が辛い

状態:病院で投薬を受けるが腹部の症状改善せず来院。

経過:初回後月経痛が軽減、鎮痛剤服用せずに過ごせた。首や腹部の症状も数回の治療の後軽減。お薬にて排卵の調整を行いながら経過観察。現在も定期的に受診中。

人により症状も治療の進め方も違いますが、当院に来院された患者さんの中では、上記の治療事例のように症状改善され経過観察をしながら医療機関の治療と並行して受診される方が多くいらっしゃいます。

■当院の治療方針

では上記の治療事例の方々のようにどのような治療を行っていくかを説明致します。

まずはオステオパシーの理論・方法に基づき、身体の検査を行います。どこが身体のシステムの不調をきたしているか原因を探していきます。

原因を突き止め、身体のシステム改善・調和に留意しながら治療を行っていきます。

そして目標の状態まで到達するために必要な回数、日数などを随時お伝えしながらその都度状態を確認し、治療を行っていきます。

ここで言う「目標」というのは「身体のシステムの改善・調和」です。そうすると結果的に患者さん自身の治る力が症状を解消していくと考えています。

このように治療を進めていくと、個人差がありますが数回の治療により患者さん自身も身体の楽さを感じ始められます。私の経験上、そういう時期からは身体の回復具合も急速に早くなっていく感じを受けます。

■子宮内膜症克服に向けて。

私の経験からしても、オステオパシーによる子宮内膜症の症状改善は見込めると感じています。

そのためには正しく医療機関の受診を行うことも重要な事です。画像診断や血液検査の情報によって手術が必要な状況であるかの判別は特に重要だと思います。

その中で医療機関とは別の方法として徒手療法という役割があります。

特にオステオパシーは内臓や神経系、内分泌系等に対する理論、検査方法などが確立されていることから、婦人科系の病名を診断された多くの方にとってお手伝いができると確信しています。オステオパシーのコンセプトにもあるように自己治癒能力をご自身の身体には備わっているという事を信じていただければと思います。

今回は子宮内膜症に注目して書きましたが、ここで書いた一部は多くの疾患にも共通していることでもあります。

お悩みをお持ちの方に、少しでも希望を持って頂けたら幸いです。

 

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