寝違え(治療事例)

【30代女性、授乳中。今朝起床時に痛みとともに首の右回旋制限】

 

全身を診た結果、特に腰仙関節(左)と右橈骨遠位端部の骨内の不活性。

それによる第二頸椎の不活性&可動域低下と頸椎~上肢にかけてのリンパの流れの弱化(左<右) 代償とも考えられる上部胸郭の不活性化を感じる。

 

 

まずはメジャーと思われる腰仙関節、橈骨から治療を行う。

この時点で可動域制限、痛み共に7割ほど改善。

その後頸椎、リンパを行い、最後に胸椎からの全脊柱の統合を行い最終的にほとんど症状改善し、全身の流れを確認した後、施術終了しました。

 

解説

この患者さんは以前右の橈骨遠位端の不全骨折の既往があり、それからくる膜の繋がりによる第二頸椎の制限を起こしていたと考えられます。

さらに腰仙関節が胸椎を経由して頸椎に影響を与えていることは、寝相や就寝時の首の位置、体幹の捻じれなどによって急性的に引き起こされたのではと考えられます。

 

これは夜中の授乳の姿勢なども関連があるのではと考えました。(昨夜は添い乳で授乳していたとのこと)

 

今回の患者さんの例を見ても、寝違えの原因は人によって様々です。 首の筋肉異常だけが原因ではないことが多いです。

 

今回の注目すべき点は、「既往歴」が原因となることです。 「古傷が痛む」とはまさにこの様な事を指すでしょう。

今回はずいぶん前に受傷した不全骨折が原因と思われる骨内の不活性がありました。 レントゲン上で骨折が治ったと診断を受けていても、骨の中に受傷時のインパクトが残り、不活性となっている場合があります。

そして、その制限が膜を通して他の部位になにかしらの影響を与えることが症状と深く関係してくると考えます。

 

~まとめ~

以前書きましたが、膜は全身繋がっているので、治療は全身が対象となります。 寝違いという急性の症状でも即効に改善する可能性は大いにあります。

今回の患者さんのケースは単発の治療にて改善が得られましたが、他には複雑な問題や長年に渡る制限が原因で寝違いを繰り返すケースもあります。 そのような場合も根本的な問題を追究し全身的に治療を行っていきます。