こんにちは。
大阪福島のオステオパシー治療院TIDEの大野です。
今回は当院にご来院された方の治療事例の中から「喉の不調」についてお話していこうと思います。
喉と聞いてそれは咽喉科のお医者さんの領域だろうと思われる方は多いと思いますが、今回は副次的に長年の喉の不調も改善された例をご紹介したいと思います。
■当院の考え方
オステオパシーの創始者スティル博士は「オステオパスは症状を扱うのではなく、原因を扱わなければならない。症状は、原因が矯正されれば消失する。」という言葉を残しています。これから推察されることは原因を突き止め、それを治療することができれば症状は自然と消失するということです。
これがオステオパシーの目的です。すなわち全身から骨の変位や神経、血管の圧迫などの原因を取り除き、その結果、人体のシステム全体に調和がもたらされることが症状の改善に繋がるという事になります。
オステオパシーのコンセプトを簡単にご紹介したいと思います。
➀身体は一つのユニットである。
・・・身体は各部位が繋がりを持ち、全体が調和して働いている。すなわち全身を一単位として捉えるべきであるという事です。
➁身体は自己調整、自己治癒、健康維持能力を持っている。
・・・いわゆる我々には自然治癒力と言われる「治る」力が備わっていることを意味します。
③身体の構造と機能は相互関係にある。
・・・構造と機能は作用しあっている存在であり、まずは構造が正しくあることが重要であるという事です。
④オステオパシーは上記の基本的原理に基づいて行うべきである。
■来院患者さんの経過をご紹介
今回紹介する患者さんは左手のしびれを訴えて来院されました。
事例
30代男性、数週間前にお風呂上りに頭を拭いている時、ピキッという衝撃の後左手がしびれるようになる。
初診時の症状:首を特定の角度に動かすことで左手にしびれが再現される。肩が挙がりにくい。
状態:長年に渡り喉にポリープがあり声がかすれていた。数か月前にポリープ除去手術を受けた。
経過:検査により頸椎由来の神経症状は診られず、喉、胸郭周囲の筋緊張、バランスの不均衡を確認。
1回目の施術により全身を調整、2回目で特に喉周囲に留意して施術を行い、しびれの改善と肩の可動域アップ、喉の詰まりが軽減、話がしやすくなり、全身の緊張が楽になったとのことで施術終了とした。
その直後に控えていたスポーツの試合にも出る事ができたとの報告を受けました。
■当院の治療方針
では上記の治療事例の方のように原因を突き止め、身体のシステム改善に留意しながら治療を行っていきます。
目標の状態まで到達するために必要な回数、日数などを随時アドバイスしながら毎回状態を確認し、治療を行っていきます。
ここで言う「目標」というのは「身体のシステムの改善」です。結果的に患者さん自身の治る力が症状を解消していくと考えています。
このように治療を進めていくと、個人差がありますが数回の治療により患者さん自身も身体の楽さを感じ始められます。私の経験上、そういう時期からは身体の回復具合も急速に早くなっていく気がします。
反対に1回の治療で効果を求められる患者さんがいらっしゃるのも事実です。そりゃ早く良くなるに越したことはありませんが、必要回数を重ね確実に身体のシステムの向上を目指すことこそ真の症状改善になると思っています。
■喉の不調を感じる方へ
私が今回の事例によって感じたことは、しびれの原因も多彩だということです。必ずしも神経症状に代表的なヘルニアや脊柱管狭窄症のような診断を受けた方であっても、身体が楽になる方法はあるのではないかということが言えると思います。
そして喉の不調を感じている方にとっては、例えばポリープが身体の他へと影響を及ぼす事があるということを頭に入れておく必要があるかもしれません。もしかしたらポリープができる理由も何か原因が隠れているかもしれません。
今回の患者さんは身体が楽になったと共に「喉が原因やったんか~」と納得しておられました。